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変な女 [映画・ノンジャンル]

まず『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』。台風が来るというのにシネマライズは結構盛況。最近は小説家としても活躍している本谷有希子さんに興味があったのと、映画自体なかなか評判がよいので。しかし私はCMディレクター出身の監督、ヒロインの挫折や不幸を扱っているという共通点から、観ている最中ずっと『嫌われ松子の一生』との類似点を感じてしまい、まぁ正直言ってあまり好きではない映画。原作があるというのも『嫌われ松子の一生』と共通点と言えるだろうか。原作ものの難点は、「何故その映画を作ったのか」という、例えば誰か好きな人に告白するのに「なんであなたが好きなのか」という一番キモになる部分が弱い場合があり、それが難点だと思っているのだが、まさにそんな感じなのではないだろうか。『嫌われ松子の一生』も『腑抜けども・・』も原作を読んでいないのだが原作はもっと面白いのでは。

ヒロインが周りの環境や関わる男どもによって、夢をあきらめたり性的に堕落したりするのは、一昔前の日本だったら作る方も真面目、観客も真面目に涙したのだが、今はそういう時代ではないらしい。実際に松子や和合家の妻・待子のような女が現代の日本にはいないという前提なので、ギャグっぽくできるのか、それともいてもできるのか。そのへんのところが正直言ってよくわからない。過去の遺物だとしたらしたでギャグっぽくしてもいいのか、そもそもどうして題材に選ぶのか。ちょっと独特の被虐性のようなものを感じたりして、好きではないが興味はあったりする。

次は久しぶりに最近めっきり公開数自体が減ってしまった韓流らしい映画『私たちの幸せな時間』。死刑囚と自殺願望のある女の心の触れ合いといったら、ベタベタの韓流ドラマようなものをつい想像してしまうが、カン・ドンウォンとイ・ナヨンの好演もあって、ついつい引き込まれてしまう。と書きつつ、でも韓流ドラマも「嘘だよー、ありえない」と思いつつ、情感溢れる俳優たちの演技につられてつい感情移入してしまうというパターンなので、結局はあまり変わらないかも・・。

(注・以降ネタばれあり、観てから読みましょう)しかしイ・ナヨンの可憐さ・痛々しさのようなものはやはりこの映画の格を一つ上げているのではないだろうか。「強姦」のエピソード一つにしても、ありがちだし(最近某ドラマで米倉涼子もそんなこと言ってたな)扱い方一つで充分鼻白むものになると思うが、ちょっとキレたヒロイン、ユジョンを説得力と存在感のあるものにしていたのは、イ・ナヨンの功績ではないかと思う。

しかし二人の人間としてのバックボーンや魅力に時間を割きすぎたのか、終盤が多少あたふたとしてしまったのは残念(あたふたとやってしまって良い題材だとは思わないので)。肝心の「絞首」のシーンも、『ダンサー・イン・ザ・ダーク』や『カポーティ』のような荘厳さには欠ける。そもそも「韓国は1998年に金大中氏が大統領になって以来、死刑の執行は行われていません。現在、死刑廃止法案が国会で議論され、死刑制度の廃止も間近いhttp://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=1238&gclid=CPvDzrW9po0CFQIPYwodJ0fn2Qなどという記事を読んでしまうと、結局は人の不幸はドラマのネタ? という韓流ドラマに感じたのと同じ疑問を、感じてしまったりもするし。無理に「絞首」シーンをやらずとも、字幕で処理したりしたほうが、全体を通して感じられる韓流らしいロマンチシズムを壊さずに済んだのではないだろうか。

と、瑕疵のない映画ではないですが、カン・ドンウォンファンの方は充分楽しめるし(私自身はクオン・サンウやイ・ビョンホンやチョン・ウソンの良さはわかるけど、カン・ドンウォンはあまりピンと来ないのだけど)、イ・ナヨンを観るだけでも価値があると思う。

しかし今日は変な女いっぱい見たな・・。田舎から出ようと思って出られない、孤独を埋めようと思って埋められない、過去の傷から逃れたいと思って逃れられない、故に、もがく女たち。結局犠牲になって死ぬのは男で、女はずぶとく生き抜いていくのだから、ある意味では「女性賛歌」なのか。うーん・・それを「女性賛歌」だと言っていいのかどうかで、評価が分かれるのかもしれない。


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